コリントの信徒への手紙Ⅰ 7:25-40             2017.5.21
テーマ: ひたすら主に仕える生活をさせたい(35節)
▢現状のままでいなさい25-28 
 前回学んだ「召された時の身分のまま」と同様に、現状を変えないで生活した方が良い。
結婚しているなら、そのままでいなさい。結婚していないなら、結婚しないままでいなさい。 現状のままがベストです。結婚したからといって、罪を犯すわけではないが、結婚する人は、その肉体に苦しみが増すであろうから、あなた達には、その苦労をさせたくないと、パウロは信者兄弟を思いやる。
▢定めの時が迫るから29-31 
 今、キリストの時(=再臨の時)が迫っているので、神の国の事で満たさなければいけない。家庭の幸福も、その他、喜ぶもの、泣くもの等の喜怒哀楽を感じる生活の出来事や全ての体験も、生活上の諸々の活動も、この世の一切合切のことに没頭せず、世間一般とは、全く異なった立場に身を置く事が必要である。結婚問題もこれと同じ様に考える事が必要である。「わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを私たちは待っています。」(フィリピ3:20)
 朝の祈り、就寝前の祈り、食前の感謝の祈り、一人静かな環境の中で自然に触れる散歩の時等、どんな時も主のことを思う生活が理想である。朝起きて新聞を手にし、ラジオ・テレビに耳を傾けたりする前に、先ずは、神の前に進み、感謝する静かな時間を、そして「主のご用のためにこの私を用いてください」と申し出ることが出来たら、どんなに幸せだろうか。 
▢どうすれば主が喜んでくださるのか32-35 
 結婚している男性も女性も、結婚をしていない男性も女性も、どうすれば主が喜ばれるのだろうか……私・パウロが、こう言うのは、あなた方を思ってのこと、決してあなた方を束縛しようと思うのではなく、品位のある生活をし、ひたすら主に仕えさせるためである。パウロ自身、独身生活の体験により全て主が中心の生活を送られた。主が喜んでくださることをしたい、その一点に絞った人生を送られた。すべてを…命を、人生を、時間を、エネルギーを、経済を、主に捧げたい。このはっきりした人生設計により、過ごされた体験があってのことである。
▢私は独身のままの方が幸せです39-40 
 当時、妻を亡くした男性の再婚は当然認められ、夫を亡くした女性の場合、再婚しないことが優れた道徳とされた。しかし、パウロは、男女の間に差別を置かず、夫の死後、再婚の権利を認めている。そうはいうものの、パウロは、一人でいる方がずっと幸せと考える。何故なら、独身であるわたしは、実際に神の霊を受けていると実感しているからである。  
▢まとめとして
 結婚する、しないにかかわらず、「神を賛美する」ということ、この一点を見つめて生きること、キリスト者にとり最善の事であり、大切である。その考えからすると、結婚は、一人で神を賛美していた人が、2人で賛美するようになること、子供が生まれることも同じで、親子で賛美するようになること、これが信仰における子供の誕生の大きな目的である。パウロは、非常に具体的な結婚、人間の欲望の問題を取り上げつつ、これら全て神の讃美のために、であることを告げる。結婚により、主が遠くにならないように、常に主が近くにおられると思える生活を第一としなさい、これがパウロの私たちキリスト者へのメッセージである。