テモテへの手紙Ⅰ6:1-21 2021.1.31
西澤 正文
テーマ:信心は金欲との戦い
前の5章では、老親、若い男・女、やもめ、長老と各人へ個別に身の処し方を、ここ6章に入り奴隷への戒めを話されました。主人に仕えるべき奴隷は、当時、信者という同じ立場であったため、主人を十分尊敬しない奴隷がいた、と言われていました。主人が信者であれば、信仰上の兄弟だからと言って軽んじず、逆に一層熱心に仕えなさい、と戒められました。
11以降、パウロは、ここからテモテ本人に向かい直接語られます。というのは、信仰はこの世との戦いである、と最も大切な内容に触れるからです。
パウロは、「金銭の欲は、全ての悪の根源です」(10)とはっきり言いました。この世に生きる人にとり、金さえあれば、この世で殆どもものが手に入ります。しかしそのために、次の言葉が続きます。
「この世で富んでいる人達に命じなさい。高ぶらないように。また、頼りにならない富
に望みを置くのでなく、私達に全ての物を豊かに与えてくださる神に望みを置くように。良い行いを沢
山実行し、惜しまずに施し、喜んで分け与えるように。」(17-18)
毎年、暮れになると色々な団体から募金のお願い、そして年明けになれば募金の感謝のお礼が送られて来ます。その中で毎年、募金された方々の中で、私の友人でもある老婦人の名前が必ず掲載され
ています。その方は大変控え目な人で年金生活者であり、未亡人です。毎週の礼拝を大切にされ、休まずに参加しています。イエスの隣人を愛しなさいの教えを、献金という行いによりで続けられている、そのように受け止めています。毎年、こ人の名前を見る度に、隣人愛の実践を拝見した思いで、勇気を与えられます。
イエスは、やもめが献金される姿を、傍らの弟子達にしっかり見るように話され、このやもめを褒めたたえています。(マルコ12:41-44) イエスは、献金額の多い・少ないでなく、「生活費全部を入れたのだ」と、献金される人の信心を重んじています。金持とやもめの献金を比較すれば、圧倒的に金持ちが多いでしょうが、全収入の率からすれば、やもめの方が圧倒的に多い、と見ています。
▢むすびとして
私達の国籍は天にあります。この世を離れれば神様のおられる天国へ帰ります。天国には、
この世の富は持ち込めません。PRC検査ではありませんが、天国の門でチェックを受け、門の中に入れる人、入れない人が決まります。その基準は、信仰を守ったか、隣人をどれ程愛したかです。神様は天国から、私たち一人一人の地上での生活振りをじっと監視しておられます。天国におられる神の御心を求めながら地上を生きる人となれるよう励みましょう。