マタイによる福音書10:1-25        2023.4.16

西澤 正文

 イエスは前もって、シモン、兄弟アンデレ、ゼベダイの子ヤコブ、兄弟ヨハネの漁師4

人、そして徴税人マタイなどに声を掛け、弟子になる意思を確認され、12人を呼びよせられました。ただ、福音書には12弟子一人一人についての詳しい記事はなく、どこにでもいそうな人たちばかりです。言うなれば、イエスの弟子たちは、誰でも、どんな人でもイエスから声が懸けられ、弟子になれると言うことです。

 スウェーデンで生まれたレーナ・マリアは、両手が無く、左脚が右脚の半分の長さで誕生し、自ら足で自動車を運転され海外へも出かけられ、キリストを信じる素晴らしさを証しをしています。

 長野県埴科郡に生まれた水野源三は、9歳の時脳性麻痺を患い目、耳以外の全て機能を失われたが、瞬きを合図とし、母が瞬きした時の文字を一字一字記録し、神を讃美し感謝あふれる心情を詩集にまとめ世に送り、「瞬きの詩人」として多くの人に感動を与えました。

 

 群馬県みどり市に生まれた星野富弘氏は、中学校体育教師として就任して3か月、クラブ活動指導中頸椎を損傷し手足の機能を失いましたが、口に筆をくわえ、自身のキリストを信じる心からの心情を詩と花の絵の中に描いた詩画作品展を日本のみならず海外でも開催されています。

 私たちは、これまで神様から与えられた多くの恵みや祝福に感謝してきましたが、今度は頂いたお礼に、人々にほんのわずかでも恵みをお裾分けすること、このことが大切と思います。受けるばかりでは、水が止まれば淀む様に、恵みも腐ります。循環してこそ周りの人々に光を放つことができます。神様から示されたその人その人の方法により、福音を伝えることが出来ます。人のために黙々と働く後ろ姿、日常生活を平安に過ごす姿、柔和な顔、優しい声掛け、ハガキ一枚・電話1本等などで、福音を届けることができます。 

 福音を伝える時、困難に直面することもあるでしょう。しかし、この困難は、その人の信仰が強められる機会と受止め、仮に人前で証言しなければならなくなった時は、真剣に祈る時間が与えられたと受止め、進んで行きましょう。