マタイによる福音書4章                       2023.2.5

小田弘平

 神の御子イエスの福音宣教第一声は「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」だった。人間は権力や富を求めて生きるよりもっと人間として崇高な生き方を神は用意されている。目に見える経済第一主義では人間の生きる真の意味を与えてくれない。「神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」ことが必要である。

 イエスは暗闇に住む民、死の陰の地に住む民の地「異邦人のガリラヤ」に住み神の福音を宣べ伝え始めた。最初にイエスに従ったのは異邦人であり、罪人とされた4人の漁師だった。彼らはこれまで自分の生活を支えてきた網、舟、そして家族を惜しげもなく捨ててイエスに従った。彼らは「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」道を選択した。大勢の群衆もイエスに従ったが、彼らは病の癒しが得られれば十分だった。イエスの福音を聞きたいために従ったのではない。群衆は「パン」さえ与えられれば十分だった。これはひたすら豊かな生活のみを追及している私たちと同じではないか。神が私たちに求めているのはそのようなものではない。イエスの福音によって生きることを求めておられる。