マタイによる福音書7:1-29          2023.3.12

西澤 正文

テーマ:人を裁くな(1)

 「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。」イエスはいきなりこう命じました。あれこれ批評すれば、自分も同じように批評の対象になる。何故なら人の目は、正しく他人を見ることが出来ないからです。人の尺度は自分本位、自分中心であり、不完全。自分の欠点は気づかず、気づいても寛大で甘く、その一方で他人の欠点の指摘は大変厳しいものがあります。最も重要な掟の2つ目“自分を愛するように隣人を愛しなさい”は、ほっといても自分自身を愛します。人には、無意識のうちに自分を愛するかわいがる本能が備わっています。それ程に自分に甘く自分を愛します。自分を愛するように隣人を愛しなさい…この言葉によって実行できない自分を知らされてばかりいます。  

 求めなさい、探しなさい、門をたたきなさい。考えてばかりいないで、一歩でも前に踏み出しなさい。 

 

 狭い門から入りなさい、広い門に入るのはやめなさい。広い門は安易であり、滅びに通じるから。その一方で、狭い門は困難に遭うことが多いが信仰の道であり命に通じている。 

 実によって木を知りなさい。その様にして人もその側でなく内側で判断しなさいとイエスは教えられています。人は建前と本音があります。また、外側ばかりに気を使うことが多くあります。外側が立派であるがその内側は見すぼらしい人だから気をつけよ、イエスは警告しています。 

▢結びとして

 以前、榎本保郎氏が語っていました。「聖書の学びは、神と私とのかかわりを見出だしていく事です。」実に大切なことと思います。聖書の知識を頭で理解し、イエスがパウロがペトロが、こういわれたことを知ること、知識を得ることではなく、私の日常生活の中でイエスの教えを生活のなかで実行する、生活の中で実験する。そのことをイエスに報告し、実行したことを感謝し、また、できなかったことがあれば、力を貸してくださいとお祈りする。日々の生活の中で、わたしとイエスの関係を見出し深めていく事がキリスト者の最大の喜びと思います。