ヨハネによる福音書19:1~42        2022.11.27

西澤正文

テーマ:「わたしが書いたものは書いたままにしておけ!」(21)

 過越準備の日の正午頃、ピラトはユダヤ人に言った。「見よ、あなた方の王だ」。すると彼らは叫んだ。「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」。ピラトは「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」と言えば、祭司長たちが「わたしたちには、皇帝・カイザル以外に王はありません」と答えた。この言葉がピラトの心を動かし、イエスを十字架につける決め手となった。

 その後、ピラトは「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いた罪状書を十字架の上に掛け

た。イエスが十字架につけられた場所は都に近く多くのユダヤ人がこの罪状書きを読んだ。

それはヘブライ、ラテン(ローマ)、ギリシアの国語で書いたためイエスがユダヤ人の王で

あると示したことは、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」を世界の万民に公表したことに等

しかった。また、イエスが諸国民から祝福を受けることを示したのだった。

 

 ユダヤ人がイエスに下した罪は、結果的にイエスを通して人類の罪の贖いを完成させ、イ

エスが人類の救主であることを公に示す機会となった。すると大祭司らが、ピラトに抗議して言った。「『ユダヤ人の王』と書かず、『この者は、ユダヤ人の王と自称した』と書き直してください。」 ピラトは答えた。「わたしが書いたことは、書いたままにしておけ」。

 祭司長達の要求に対するピラトの拒絶は絶対的なものがあった。語気を強め、「わたしが

書いたものは書いたままにしておけ!」と言う強い意志を示された。ピラトはここでは、神

の御手の働きにより信念を貫いたと言えます。

▢むすびとして

 総督・ピラトは、最後の最後に自分の意志を貫かれた。私たちも、ここぞという時、態度

を明確にしなければならない時、聖霊により御力を頂き、自分の口を通しキリスト者の態度を明らかにすることが出来るようになりたいと思います。