ヨハネによる福音書21:1~25         2022.12.18

西澤 正文

テーマ: ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。(19)

 以前、ペトロは、イエスから「あなたは三度わたしのことを知らないと言うであろう」(14:38)と、予告された通り、イエスが十字架のかかる直前、見事に3度否定してしまった。   ヨハネ福音書を閉じるにあたり、今、イエスは、他の6人の弟子達がいる前で、同し質問をされた。ペトロにとって、どんなに辛く、悲しいことであっただろうか。

 「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか。」と。「愛するか」でなく

「愛しているか」と、現在進行形であり、既に愛しているか、と質問された。

 ペトロは、素直に、丁寧に「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と答えた。「ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。」(17)とありますが、本当にそう思います。しかし、イエスにしてみれ

 

ば、このペトロの悲しい姿は、「わたしの子羊を飼いなさい」(15)と、迷える人々を信仰に導く伝道者ペトロに期待する気持の表れでした。私の子羊を飼いなさいとは、飼い主であるイエスを無くし、困っている人々、弱い人たちを、私・イエスに代わって、あなたがしっかり導きなさい、という事です、

 そして、更にイエスはペテロの将来を予告しています。立派な伝道者の結末です。殉教の死を遂げる事です。それが「年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」(18b)という言葉です。

▢むすびとして

 この世に生を受けた私たちは皆、信仰の賜物、歩むべき道も、一人一人異なります。この世で神様から自分自身に示された道を神様と共に歩むのが信仰を与えられた者の使命です。ペトロに「私に従いなさい」と言われたように、私たちも一人一人神様から言われているのです。