ヨハネの手紙Ⅲ 1:1-15       2022.6.26

西澤 正文

テーマ:兄弟たちが来ては、あなたが真理に歩んでいることを証ししてくれる(3) 

 長老ヨハネが手紙を書いた相手は、ガイオです。ガイオは教会を維持運営する人です。このガイオに対するヨハネの信頼は、大変深いものがあります。「愛するガイドへ。わたしは 真にあなたを愛しています。」また、ヨハネのガイオへの祈り、魂が恵まれている様に、健康であるようにとあり、ガイドの病弱の体を心配するヨハネの深い愛が切々と伝わって来ます

 このガイオが守る教会に集まる信者、兄弟姉妹がわたしヨハネのところに来ては、口々にあなたが真理に歩んでいることを伝えてくれる話をお聞くにつけ、ヨハネは心から喜んでいると伝えています。

ヨハネの伝道によって回心した子供たちが、真理に歩んでいる、イエスの掟、教えにしっかりと従って信仰生活を全うしている、このことを聞くほど、嬉しいものはない、最上の喜びだと言っています。

ヨハネは、ガイオ以外もう一人、デメトリオも称賛しています。「デメトリオについては、あらゆる人と真理そのものの証しがあります。わたしたちもまた証しします。そして、あなたは、わたしたちの証しが真実であることを知っています。」(12)

 デメトリオは、自ら自分について証しするのではなく、人から「あの人は神、イエスの御言葉、教えを充実の守り信仰の道を歩まれている」と言われていますが、他人の証し程真実なものはありません。

自分自身で自分を評価することはできません。もし自分を評価すれば、自画自賛、ごう慢な人と言う評

価を受けるだけでしょう。自分を評価するのは、周

 

 

 

りの人です。

 私の礼拝に長い間出席された姉妹が、昨年召されました。その姉妹を偲ぶ会を開きました。そうしますと、普段、口の重い八十代後半の兄弟が、自ら進んで姉妹のことを話されました。

 「僕が入院・入所を経て久しぶりに集会参加しました。礼拝が終わり身支度をしている時、そっと僕の近くに寄って来て『これを食べて元気になってね』と、そっと差し出された。カステラでした。びっくりしましたが、とても嬉しかった。」

 このことは、姉妹が亡くなられ始めて知りました。これは大変価値のある証しと思います。姉妹の人に知られなかった行いは、神様が最も喜ばれるからです。

  「施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。」マタイ6:3-4 

 周りの人に知られず人を愛する、神は上空から眺め私たちの姿を見詰めておられます。「あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」(ルカによる福音書10章20節) 姉妹の名前は、天にハッキリと記されたと信じます。

▢むすびにかえ

 私たちは、日常生活をしていますとどうしても目の前の事に目を奪われてしまいますが、天を仰ぎ、神のみ旨を心に思い起しながら歩まねばなりません。愛する姉妹を天に送り、改めて姉妹の本物の信仰を教えられ、大きな励ましを頂きました。