ルカによる福音書ルカ13:1-17 2024.11.17
濱田 淳
「決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」(3) これが今日の講話個所(13章1-17)の中で、最も言わんとするところと思います。
イエスの時代の前から「人の不幸はその人の罪の結果だ」という考えがありました。悲惨な目にあっている人を見て、「あの人たちが何か罪を犯していたからだ」と決めつけました。エルサレムに住むユダヤ人は、我々はガリラヤ人とは違うんだ、ということでしょうか。
イエスはそういう考えには立ちませんでした。「そのガリラヤ人たちは、ほかのガリラヤ人よりも、罪深い者だったと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じようにほろびる。」(2~3) このようにイエスは、裁きによるすべての人の滅びを強調されています。
イエスは、悲惨な出来事を通して、神の警告として受け止めることを求めています。イスラエルだけでなく、今日私たちにとっても様々な小さな出来事を振り返ってみることが、悔い改めの絶好の機会となります。主を信じる人は、罪がないのではなく、罪は持っているが悔い改めることによって、日々罪を赦してもらっている人のことを言っているのです。
6節からは実のならないいちじくの木のたとえ話です。この譬えの教えは、実のならない木が切り倒されるように、悔い改めを拒否する人は皆、神の救いから切り離される、という警告です。
安息日に腰の曲がった婦人を癒す話では、会堂長が古い習慣にとらわれ、イエスを攻撃しました。イエスは言いました。「偽善者たちよ、あなた達は誰でも安息日にも牛やロバに水を飲ませに連れて行くではないか」と、家畜が水を飲むことと娘が18年の病から解放されることとは比較にならないと諭されました。