マルコによる福音書5:1-43   2021.9.12

西澤 正文

テーマ: あなたの信仰があなたを救った 安心していきなさい (34)

 5章はイエスが行われた3つの癒しが登場します。➀悪霊に取りつかれた人を癒す、②ヤイロの娘を癒す、③長血を患った女を癒す ここでは③の癒しについて取り上げます。

 12年間も出血が止まらない女性がいました。血が止まらず医者を訪ねても、治りませんでした。医療費がかさみ、生活は成り立たなくなってしまいました。穢れた病のため人前に出ることはできない、人に相談もできない状態で悶々とした生活が続いていました。八方ふさがりの生活が続いていました。この女性の置かれた状態は、想像しやすいと思います。本当に辛く、寂しく、そして孤独で、残された道は、自ら命を絶つしかないのか…と思いたくなります。

 そんなある日、イエスが街にやって来るという噂さを聞いたのです。千載一隅のチャンス到来、この機会を逃したら死を待つしかないと判断しました。命を賭けてイエスを待つ群衆の中に紛れ込んだのです。本来、穢れた病のため人と接することはでき来ません。しかし、そんなことにこだわってはいなれません。もう、心に決めたのです。死んでもいいと。

   イエスの服に触れた瞬間、「すぐ出血が全く止まって病気が癒されたことを体に感じた」(29)のです。しかし、イエスは黙っていませんでした。「わたしの服に触れた人は誰だ」(30) そのイエスの声を耳にした弟子たちは答えました。「こん

 

 

な多くの人たちがいる中でその人は誰か、と言って

も無理な話ですよ」(31)それでもイエスは捜されたのです。女は身に起こったことが信じられず、また恐ろしく、勇気を奮って震えながら群衆、イエス、弟子たちの前に進み出て、平伏しました。そしてすべてをありのまま話しました。イエスは女の勇気、素直な態度に応えられました。「娘よ あなたの信仰があなたを救った。安心していきなさい。もうその病気にかからず元気に過ごしなさい」(34)イエスは娘の信仰を誉め、更に、健康を祈って送り出されました。 

 この女の癒しを通し、イエスは、常に人を見詰めておられる。そしてイエスは、いつも目の前に出てこられる人を待っておられる。1対1の場を重視される方であると分かります。                                                                                                                               ▢まとめとして

 イエスの長血を患った女の癒しの業を通し教えられることがあります。「娘よ。あなたの信仰があなたを救った。」とありますように、女の信仰は、なりふり構わず、自分の命を賭け、投げ出してイエスに近づいたことです。自分の命を犠牲にするほどの信仰をイエスは見詰め待っておられるのです。何故なら、イエスご自身が命を投げ出され、私達の罪を買い取るため十字架上で死ぬ使命を負っていたからです。

イエスの愛に応えるられるように、祈りをもって私たち一人一人に示される愛=犠牲を為していきたい。