コリントの信徒への手紙Ⅰ 7:1-40           2024.2.4

小田弘平

テーマ:「定められた時が迫っている私たちの生き方」

 エフェソにいるパウロのもとにコリントの友から手紙が届いた。コリントの教会内で起きている問題について、どうすればよいかを尋ねる内容だった。彼らは具体的な結婚の問題についてパウロの助言を求めた。背景にはパウロがコリント教会を設立してコリントを去ったのち、コリント教会の信徒の群れが分裂した。パウロの教えに忠実であろうとするグループはパウロに教えを乞うたのだ。

 コリントの教会では「キリスト者はこの世のことに心を奪われることがないよ

うに、禁欲的な生活をするべきだという考え」が強く、コリントの人々は意見が

分かれていたらしい。

 これに対しパウロの理想は、止み難い場合の外は結婚をしないことだった。

しかしパイロハ自分の考えを強要はしない。「人はそれぞれ神から賜物をいただいているのですから、人によって生き方が違う」と言って、未婚者、既婚者とも

 

に今の時を「平和な生活を送」り、神より聖なる者とされることが最も大切なことだとパウロは返事に書いた。

 なぜパウロはこのように書いたのだろうか。パウロは十字架上の死から復活された主イエスが再び地上に来られる日(再臨)が近いので、「おのおの主から分け与えられた分に応じ、それぞれ神に召されたときの身分のままで歩みなさい」と勧める。

 そして「今危機(再臨)が迫っているので、人は現状にとどまっているのがよい」と言う。つまり未婚者は未婚のまま、既婚者は既婚のままいなさいという。こうして再臨の日まで、「品位のある生活」をしようと呼びかける。なぜならキリストを主と仰ぐ信徒は罪ある形のまま、召されたままの状態で神のものとされる。どんな罪人であっても、そのままで神に受け入れていただける。この信仰をコリントの友が持って欲しいのだ。これは2000年後の私たちにも限りない希望を与える。