ルカによる福音書7:1-35 2024.7.28
西澤 正文
テーマ:これ程の信仰を見たことがない(9)
イエスがカファルナウムの町へ行った時、そこに百人隊長に重んじられている部下が、重い病に罹っていた。この百人隊長は、イエスについて色々耳にし、イエスなら治していただけるかも…と期待した。
そこで、ユダヤ人の長老たちをイエスの下に送り、部下を助けに来てほしいと頼んだ。その話を聞いたイエスは一緒に百人隊長のところへ出掛けようとした。ところが、百人隊長は、イエスの所に友人を送り、考えを伝えた。
「来るには及びません。あなたを私の屋根の下に来て頂くような者ではありません」「唯、ひと言だけ、僕をいやしてくださるお言葉をください。」「私も権威の下で働く者で、部下にひと言、命令すれば、その通り従います。私もイエスのお言葉に従います。」
この百人隊長からの言伝をお聞きしたイエスは、着任隊長の十分すぎるほどの低い姿勢を理解されたのです。「イエスを招き入れるような者でありません。唯ひと言でいいのです。お言葉をください。」「部下に命令すればそのように動き
ます。組織の中では、それなりに人を動かすことがでます。」と。自身の組織内では、長としての任務を完璧にこなし、自身の言葉一つで組織を動かせる自信と職責を全うされる真面目な姿が浮かんで来ます。
百人隊長は、人の上に立つ地位にありながら、部下の信頼が厚く、部下を思いやる易しさ、この人間性をイエスは見たのです。特に、長老たちが、自分たちの百人隊長の人柄をイエスに伝えた言葉「ユダヤ人を愛され、ユダヤ人のために会堂を建ててくれたのです」は、イエスの心を動かされた事は容易に想像できます。
イエスは、「これ程の信仰を見たことがない」と感心されました。結局イエスは、この百人隊長とは一度もお会いしませんでした。人に会わなくてもイエスは、その人の評判や部下の動きにより、その人の人柄、信仰を見抜かれる鋭さ、深さに畏れを感じます。
▢むすびとして
私たちは常に天上から、日々の生活の様子を通し、一人一人の信仰が見られている、このことを意識し緊張感を持って生活しなければならないと思います。