マタイによる福音書10:26-42          2023.4.23

   西澤 正文

テーマ:(31)だから恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。

 イエスは、命を脅かされるような状況に直面しても、神以外、全て恐れるな、と弟子たちに語ります。「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。」(28a)とは、人を恐れるな、「むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。」(28b)とは、神を畏れなさいということです。本当に恐れるもの、恐れる必要のないものを見しっかりと見極めることです。

 イエスの教えは「主を畏れることは知恵の初め 聖なる方を知ることは分別の初め。」

箴言(9:10)の言葉と同じです。山形県小国町にある全寮制で聖書の教えを基本理念としたキリスト教独立学園高等学校では、「神を畏るるは学問の始め」(箴言1:7)を校舎玄関横の壁面に刻んでいます。

 「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたが

 

たの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。」わずかな価値の雀さえ神の目に留

まり、生かされているのだから、神の許しがなければ死なない。まして、私達一人一人は、神により慈しまれこの世に生を受けた故、雀以上に愛してくださっていると考えるのは当然です。

 神の絶対的な主権こそ畏れであり、誠に尊いものであり、全知全能の神に信頼すること、これがキリスト教ではないでしょうか。

▢まとめとして

 日頃、我々はどうしても人を恐れてしまいますが、この恐れがなくなれば、もっと気を楽にして生活できます。人を恐れない解決策は、ただ一つ、神様をもっともっと畏れることです。

 夜空を眺め、星、月を見詰める。昼、遠く緑に覆われた山々,水平線に広がる海、身近な民家の庭に咲く色とりどりの季節の花に目を向ける。鳥の鳴き声に耳を傾ける。目を見開き、耳を澄ませば、神が創造された自然の中で、鳥や花と同じように生きている、生かされていることを感じます。自分の腹をのぞき込んでばかりいるのをやめ、空を仰ぎ、山を見詰めましょう。神の力の大きさを思い出しながら生活しましょう!